王子誕生の痛み その1

出産前日。私は完全に追い込まれていた。
明日の朝までに陣痛がきて、産まなければ。。。と。


夜、10分おきの陣痛。
正確に10分でものすごい激痛がくる。


生理痛のひどいのが陣痛と聞いていたけど、
私は骨盤がとても痛い。


ま、いろいろな種類があるのか。
骨盤もお腹も痛い。。。



夜中がまんして、朝7時に病院へ。


でも、病院にいって、夜の痛みが陣痛でないことを知る。


完全に痛かった。私にとっては陣痛だった。
でも、それは私が精神的に起こしている陣痛だと先生に言われる。


なんだそりゃ。(笑)


機械をつけてみても、子宮口をみても、赤ちゃんをみても、
とても陣痛がおきる状態ではなく、
昨日の診察のときと何も変わっていないと言う。


朝までに陣痛が来なければ。。。という思いから
自分で起こしてしまう陣痛・・・・。ありえん。


よく男性でも妊娠していると思い込んでいると母乳がでるとか、
想像妊娠でつわりがあるとか。そういうたぐいだと。


想像陣痛?!


われながら、びびる。ありえん。っつーか、そんなのあり?!
私の想像陣痛はとても辛かったのに。。。


がっくし。がっくし。


つーか、旦那は、
「オレは一晩中想像陣痛に付き合わされたわけ?!」
と看護婦さんと先生とげらげら笑ってた。


それどころじゃないっつーの。


そんな話している間だって、
想像陣痛は続いているんだよ。


とにかくなんとかしてよ。って感じで・・・


この相当追い込まれた私の様子をみて、
先生もさすがに「今日帝王切開の手術で出しましょう」と言った。


ま、私の様子だけではなく、
ベイビーの大きさや私の年齢、
そしてなにより、さがっていないベイビーを待ったところで、
当分は陣痛がきそうにないという、ベイビーの安全を願って。。。


それから、あれよあれよと、手術の準備。

何本か注射を打たれ、点滴をし、尿に管を通し・・・などなど。



「麻酔が効いているから手術中は痛くないからよかったね」と旦那。
なんとなく励ましてくれているのだけど、
ある程度覚悟はしていたけど、やっぱり怖い。。。


そして、午後2時。手術開始。


下半身麻酔。


手術中痛くないって、、、うそじゃん!!!
イテーよ。


まず、下半身麻酔のため、
基本的に意識はある。


お腹を切っている様子。
お腹の肉をぐいぐいひっぱっている様子。
羊水をずーずー吸っている様子。

どれもわかる。
そして、痛い。


特にまだ降りてきていないベイビーを
お腹の上のほうからグイグイ下へ押す。

これがたまらなく痛かった。


看護婦さんにも「痛いけどがまんしてね。」といわれ、
やっぱり痛いだ。。。と半泣き。


そして、手術開始から約15分。
「ほぎゃーほぎゃー」とベイビー誕生。


はやっ。


お腹をぱっくり開けた状態で
生まれたての赤ちゃんを見せてもらった。(笑)


超感激。
おもわず「ありがとうございますー!」と涙がでてきた。
けど、すぐ痛いを思い出して、感動の涙はすぐ終わり。

それから縫う。縫う。
「何重にもつなぎあわせるからちょっとまってね」と言われながら、
縫う。縫う。
ホチキスでパチパチパチ。

はいおわりー。


手術はだいたい50分程度で終了。


手術終わってから先生が
「手術で出してよかった」と。


なんでも私の場合、多分陣痛がきても
20時間とか30時間コースの分娩になりそうで
無事出せるまでかなり大変になっていただろう。


そして、なにより、へその緒がきつくまいていて、
結局は出せなかっただろうと。
また、もっと陣痛をまっていたら
赤ちゃんの心拍も心配になっていたと。


結局、陣痛を待って出産したとしても
最終的にきることになっていただろうという言葉から、
ほんと、早く手術してよかったー。と。


手術準備をしているときは
自然分娩できなかった自分を責めるような気持ちがあって、
「情けない母ちゃんでごめんよ」って思ったし、
せっかくこれから待ち望んだベイビー産まれてくるのに、
かなりブルーな気持ちになっていたのだけど、
先生の話きいて、
「あーこの子にとって一番いい方法で産まれてくれたんだ」と
気持ちを切り替えることができた。


なにはともあれ、無事産まれてよかった。


でも、とにかく、手術中は痛かった。


予想外におそるべし。帝王切開


しかし、帝王切開の痛みはこの先がもっと過酷なものになるとは知らず、
私は一安心して、病室に運ばれるのであった。。。